<症例解説>左頬部の老人性色素斑に対してQスイッチルビーレーザー照射を行った1例

<症例解説>

左頬部の老人性色素斑に対してQスイッチルビーレーザー照射を行った1例

 

はじめに

老人性色素斑はいわゆる「シミ」のことであり、顔面に単発あるいは多発する色素斑である。大小さまざまあり、形は不定形だが周囲との境界が明瞭である。日焼けが原因でできることが多い。

この老人性色素斑(いわゆる「シミ」)の治療は施設によって様々な機器を用いて行なっている。

Qスイッチレーザー(ルビーレーザー、ヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーなど)、IPL(いわゆる「フォトフェイシャル」「光治療」)、炭酸ガスレーザー、最近ではピコレーザーなどが用いられる。

当クリニックでは老人性色素斑(いわゆる「シミ」)治療にQスイッチルビーレーザーを採用している。

本症例は左頬部の老人性色素斑(いわゆる「シミ」)に対してQスイッチルビーレーザー照射による治療を行い、良好な結果が得られたのでここに紹介する。

症例

30代女性

数年前から日焼け後、左頬部に10㎜大の境界明瞭な円形の色素斑が出現し、メイクでも隠せないため気になり、治療目的に当クリニックを受診した。

所見:老人性色素斑

治療:クーリング下、Qスイッチルビーレーザー照射による治療を行った。

施術直後

レーザーを照射した面は白っぽくなる(これをIWP:immediate whitening phenomenonと呼んでいる)。これは時間がたつと黒っぽくなり、やがて痂疲(いわゆる「カサブタ」)になっていく。施術後はサージカルテープ(茶色)と軟膏(ワセリン)を塗布する。

施術後4日

表面は黒っぽくなり、すでに痂疲形成(いわゆる「カサブタ」)の状態である。こちらは通常の創傷治癒過程の経過である。通常、テープは一度貼ったら1週間以上は貼りっぱなしが望ましいが、洗顔の際に容易にテープがはがれてしまったとのことだった。引き続き、テープと軟膏処置を行なった。

施術後6日

一部痂疲(いわゆる「カサブタ」)が脱落し、ピンク色の新生上皮がみられる。正直なところ、10日程はテープを継続して貼り続けてもらいたかったが、テープが自然にはがれてそれとともに痂疲(いわゆる「カサブタ」)も取れてしまったとのこと。ただし、経過としては大きな問題はない。

施術後7日

痂疲(いわゆる「カサブタ」)は完全に脱落し、ピンク色の新生上皮がみられる。この時点からテープと軟膏処置はやめて日常のスキンケアにしていただいた。

施術後2週

以前のピンク色の上皮から濃い茶色に変色している。これはいわゆるシミの再発ではなく、レーザー後に起こる炎症後色素沈着(PIH:post-inflamamatory hyperpigmentation)である。日焼け予防を中心としたスキンケアをしていただいた。

※自然経過でも改善はしていくが、なるべく症状を抑えたいという方はトラネキサム酸等の内服やハイドロキノン(HQ)クリーム外用をすすめている。

施術後3か月

以前より茶色はうすくなっており、色素沈着が改善しつつある。改善の度合いは個人差があるため、もっと時間がかかる場合もある。

施術後1年以上

色素沈着も改善し、元のシミ治療も完了したと言える状態になった。

 

まとめ

左頬部の老人性色素斑(いわゆる「シミ」)に対してQスイッチルビーレーザー照射を行ない、良好な結果がえられた。ただし、「シミ」と一般的に呼んでいるものの中には今回のようにレーザーに著効する老人性色素斑ではないものもあるため、必ずしも良好な結果が得られるわけではない。したがって、まずはレーザー治療が可能な「シミ」かどうかを診察で判断する必要がある。

シミでお悩みの方は診断も含めて、治療をご検討いただければ幸甚である。

記事監修医師

略歴

2000年3月 藤田保健衛生大学医学部卒業

2001年5月 医師免許取得

2001年5月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 入局

2003年4月 土岐市立総合病院形成外科 勤務

2004年4月 市立伊勢総合病院外科 外科研修

2005年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 勤務

2008年4月 津島市民病院形成外科 勤務

2010年3月 医学博士取得

2011年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 助教

2013年4月 津島市民病院形成外科 主任医長

2015年4月 みやもと美容クリニック 開業

所属学会・資格

日本形成外科学会専門医

日本形成外科学会正会員

国際形成外科学会会員

日本頭蓋顎顔面外科学会会員

日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会会員

ボトックスビスタ®認定医

ジュビダームビスタ®認定医

みやもと美容クリニック
院長/宮本 英治
(みやもと えいじ)