<症例解説>頚部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った1例

<症例解説>

頚部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った1例

 

はじめに

前回、顔面の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った例を紹介した。

通常、顔面の黒子はミーシャー母斑であることがほとんどである。頚部は、比較的まれなタイプであるが桑実状に盛り上がった黒子が発生する。こちらはウンナ母斑という黒子である。

本症例は頚部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行い、良好な結果が得られたため紹介する。

症例

20代女性

昔から頚部に大きめの黒子があり、ふくらんでいるため整容的に気にしていた。レーザーでの治療を希望しており、当クリニックにて施術の運びとなる。

所見:頚部黒子(ウンナ母斑)、大きさ8mm

治療:局所麻酔下、炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った。

施術直後

ウンナ母斑は、母斑細胞が真皮の浅いところにとどまるため、ミーシャー母斑に比べて中央部を深く蒸散する必要がない。施術直後は割と平らな小斜面となる。局所麻酔が効いているため施術直後の出血はないが、時間の経過でその後出血が起きうるため翌日まで小ガーゼ付き絆創膏での保護とした。

施術後2日

出血はおさまっているため、小ガーゼ付き絆創膏の処置からサージカルテープ(茶)に変更して軟膏処置を行った。

施術後8日

ほぼ創治癒しているが、もう少しで上皮化の状態であるため、施術後10日目まではサージカルテープ(茶)と軟膏処置を継続した。

施術後1か月

創部は平坦化してきているが赤みがみられる。この時期の赤みは創傷治癒過程の通常の経過である。

日常の保湿等スキンケアを行っていただいた。

施術後3か月

創部辺縁は若干赤みがあるが、中央は白色瘢痕(成熟瘢痕)になりつつある。

まだ創傷治癒過程としては改善の余地がある。

施術後6か月

全体に白色の瘢痕となり、成熟瘢痕となっているが、大きさの割に比較的目立った瘢痕にはなっていない。

頚部の大きめのほくろの創傷治癒としては順調な経過であると考える。

まとめ

通常、5mm以上の頚部黒子(いわゆる「ほくろ」)に対する治療としては顔面黒子と同様、再発や整容面を考慮して切除縫合が選択されることがあるが、炭酸ガスレーザーによる蒸散治療においても整容的に良好な結果がえられたので、同様のほくろでお悩みの方は一つの治療の選択肢としてご検討いただければ幸甚である。

記事監修医師

略歴

2000年3月 藤田保健衛生大学医学部卒業

2001年5月 医師免許取得

2001年5月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 入局

2003年4月 土岐市立総合病院形成外科 勤務

2004年4月 市立伊勢総合病院外科 外科研修

2005年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 勤務

2008年4月 津島市民病院形成外科 勤務

2010年3月 医学博士取得

2011年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 助教

2013年4月 津島市民病院形成外科 主任医長

2015年4月 みやもと美容クリニック 開業

所属学会・資格

日本形成外科学会専門医

日本形成外科学会正会員

国際形成外科学会会員

日本頭蓋顎顔面外科学会会員

日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会会員

ボトックスビスタ®認定医

ジュビダームビスタ®認定医

みやもと美容クリニック
院長/宮本 英治
(みやもと えいじ)