<症例解説> 鼻翼基部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った1例

<症例解説>

鼻翼基部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った1例

 

はじめに

通常、5mm以上の顔面黒子(いわゆる「ほくろ」)に対する治療としては再発や整容面を考慮して切除縫合が選択される。

顔面の部位、たとえば鼻翼基部(いわゆる「小鼻」)の黒子などは単純切除縫合だと鼻翼のひきつれなどが生じる可能性があるため、形成外科的には皮弁形成など複雑な切除縫合処置を行うことがある。

一方、炭酸ガスレーザーによる蒸散治療や高周波電気メスによる電気凝固(焼灼、いわゆる「電気分解法」)治療は鼻翼のひきつれが生じにくいが、大きなほくろだとその後の瘢痕(いわゆる「傷あと」)が目立つ可能性がある。

本症例は鼻翼基部の黒子に対して炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行い、良好な結果が得られたため紹介する。

症例

40代男性

昔から右の鼻翼基部(いわゆる「小鼻」)に黒子があり、大きくふくらんでいるため整容的に気にしていた。切除等は考えていないがレーザーなどで治療してほしいとのことで当クリニック受診の運びとなる。

所見:顔面黒子(ミーシャー母斑)、8mm大

治療:局所麻酔下、炭酸ガスレーザーによる蒸散治療を行った。

施術直後

顔面黒子はほとんどがミーシャー母斑という、真皮内に逆三角形に楔状に深くまで病巣が達しているタイプの母斑である。したがって、中央部が深いためレーザー治療後の患部は陥凹した状態になっている。施術直後は局所麻酔が効いているため出血はないが、時間の経過でその後出血が起きうるため翌日まで小ガーゼ付き絆創膏での保護とした。

施術後1日

出血は治まっている。中央部は陥凹の状態。引き続き外用を行う。

施術後2日

中央に凝血塊が見られる。外用治療継続。

施術後3日

すでに創部の縮小がみられる。外用治療継続。

施術後4日

創面に白色の付着物がみられる。一見、膿のようにもみえるが創部からの滲出物(フィブリンなど)により白色から黄白色の膜が付着している。通常の創傷治癒過程の経過である。シャワー等で創部を洗浄して外用治療を継続。

施術後5日

今度は黄色の付着物になっている。こちらも創からの滲出物によるものであり通常の経過である。シャワー洗浄して外用治療継続。

施術後6日

創縁が縮小し創面も上皮化しつつある。外用治療継続。

施術後7日

創部が上皮化して表面に落屑(角質)が見られる。外用治療は本日で終了。保湿等スキンケアを開始。

施術後9日

創部は上皮化しているがまだ未熟な上皮のため赤み(紅斑)がみられる。保湿等スキンケアを行う。

施術後2週

創部は上皮化しているが、陥凹はまだ目立っている。スキンケア継続。

施術後1か月

創部の陥凹は少し平坦化してきているが赤みはまだみられる。スキンケア継続。

施術後4か月

創部は平坦化し赤みも目立たなくなった。

 

まとめ

通常、5mm以上の顔面黒子(いわゆる「ほくろ」)に対する治療としては再発や整容面を考慮して切除縫合が選択されるが、炭酸ガスレーザーによる蒸散治療においても整容的に良好な結果がえられたので、同様のほくろでお悩みの方は一つの治療の選択肢としてご検討いただければ幸甚である。

記事監修医師

略歴

2000年3月 藤田保健衛生大学医学部卒業

2001年5月 医師免許取得

2001年5月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 入局

2003年4月 土岐市立総合病院形成外科 勤務

2004年4月 市立伊勢総合病院外科 外科研修

2005年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 勤務

2008年4月 津島市民病院形成外科 勤務

2010年3月 医学博士取得

2011年4月 藤田保健衛生大学医学部形成外科 助教

2013年4月 津島市民病院形成外科 主任医長

2015年4月 みやもと美容クリニック 開業

所属学会・資格

日本形成外科学会専門医

日本形成外科学会正会員

国際形成外科学会会員

日本頭蓋顎顔面外科学会会員

日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会会員

ボトックスビスタ®認定医

ジュビダームビスタ®認定医

みやもと美容クリニック
院長/宮本 英治
(みやもと えいじ)